2019.5.8
TALK

水野良樹×崎山蒼志 Part 2
波打つ鼓動を守って、そのまま進んでほしい

独自の世界観が広がる歌詞、印象的な歌声、圧倒的なギタープレイで、
今注目を集める高校生シンガーソングライター崎山蒼志さん。
J-WAVE「SPARK」初回の放送で
楽曲をオンエアしたことがきっかけで、対談が実現。
番組では放送できなかった内容も含めて、
「SPARK HIROBA」完全版としてお届け。

Part 2 波打つ鼓動を守って、そのまま進んでほしい

水野音楽以外に興味が湧くものはあります?

崎山ええ…。

水野今、そんな余裕あるのかな。

崎山音楽以外…。

水野歌詞を見ていると言葉の力をすごく持っている…ああ、こんな生意気に言ってすごく恐縮なんですけど、でも、そう思っていて。文章には興味はないんですか?

崎山歌詞を褒めていただくことが多くて、それはとてもうれしいんですけど、文章をすごく書きたいという思いはないですね。

水野ああ、やっぱり音楽なんだね。音楽が好きなんだね。

崎山はい。

水野それはいいね。すごくいいと思う。いやぁ…なんかこれ…本当ダメだね、年寄りになっちゃったんだけど(笑)。

すごく思うのは、すごい才能を持っていて、すごい能力を持っていて、だけど今、あまりに崎山くんの音楽や言葉がよかったりするから、周りがウワッー!って来ているじゃない。崎山くんの言葉がいいとか声がいいとか、それは事実だから僕も言ってしまうんだけど、でも今度、新しいチャレンジや表現をしてみたいと思ったときに、10代のときにつくったものに縛られてほしくないというか。

崎山ああ。

水野自分で自分に飽きる瞬間って絶対に来るから。

崎山はい。

水野才能と技術もあるし、音楽が好きな気持ちもあるし、だから「昔ああだったのに変わっちゃったよね」って言われることを全然気にせずに、どんどん新しいものとか、いろんな人に出会っていった方がいいだろうなってすごく思いますね。

(ここから崎山さんからの質問パートがスタート)

崎山作曲はどうやってされているんですか?

水野崎山さんはギターでつくるの?

崎山はい、ギターです。でも、まだ発表できてはいないんですけど、最近は打ち込みなんかも。

水野そうなんだ、面白いね。20代後半くらいまではギターをかき鳴らしてつくっていただんけど、なんかもうつまんなくなってきちゃって。小さい頃からピアノを習っていたんだけど、それで鍵盤でつくるようになって、そこから自分の作業場をつくるようになって、打ち込みみたいなことも始めて、つくり方をどんどん変えていきましたね。

歌っていないとつくれなくて、机でメロディを書くだけとかはできなくて、歌詞を書くときもギターでもピアノでもいいんだけど、なにか楽器があって、歌いながら、その言葉が意味だけはなく、メロディとリンクしているかどうかを気にしながらつくるね。

歌詞とメロディは別々につくりますか?それとも一緒につくりますか?

崎山一緒につくります。

水野あ、一緒なんだね。

崎山だけど、Aメロみたいなところはあまり歌詞はなくて。なので、そこは歌詞を先に書いてから曲をつけているんですけど。

水野はいはい。

崎山サビとか展開があるところは、一緒につくってます。

水野Aメロとかブロックによっては、歌詞から先につくることもあるんだね。詞先か、面白いな。崎山さんは弾き語りの印象が強くあるんですけど、歌とストロークがすごく絡みあっているじゃないですか。ああいうのは、つくっている段階でけっこう見えているの?

崎山一緒にやっちゃってますね。

水野ああ、そうなんだね。そうじゃないと、ああならないよね。ギター外されたらつくれない?

崎山メロディはつくれないですね。

水野ああ、言葉は書けるけど、メロディはつくれないか。

崎山はい。

水野ああ、じゃあ、やっぱりギター込みなんだね。

崎山そうですね。

水野ああ、面白いな。さっき、文章ではなく音楽だとおっしゃいましたけど、やっぱりメロディだったり音になるっていうことがちゃんとイメージのなかにあって、それをつくりたいという意識の方が強いんでしょうね。

(崎山さん、さらに質問をどうぞ!)

水野ああ、もう何でも聞いてください(笑)。

崎山音楽をやる人として、これをしておいた方がいいということはありますか?

水野いやぁ、もう十分してると思うけど…えー、ギターは俺より絶対うまいし。

崎山いえいえいえ。

水野なんだろうな…20年前にもし戻れるとしたら…すごくつまらない答えになっちゃうんだけど、基礎練習とか、楽典の勉強とか、もっとちゃんとやっておけばよかったなって思うんだけど。

それより大切なことも確かにたくさんある。むしろ、それより大切なことの方が多いと思う。いろんな人に出会ったり、いろんな音楽を聴いて刺激を受けたりね。でもなんだかだ言って、それ以前に基礎が大事という。

僕もデビューして憧れていたミュージシャンに出会えて、いざこういう曲がつくりたいって思ったときに技術が足りないという…。こんなサウンドにしてみたいとか、もっとメロディをこういうふうに展開したいとか、結局アイデアはあっても技術の問題なんだなと気づくことがすごく多かったんですよ。あとから時間をつくって自分なりに足りないところを勉強すると、ひとつ分かると小さいなりにも視野が広がっていくという機会が30代になっても多くて。

才能を持っている人ほど、少し面倒くさい基礎といわれるものをちょっとずつやったりとか、機材の勉強をしたりとか、たくさん興味も出てくると思うし、崎山さんはギターのエフェクターのつなぎ方とか膨大な知識があるじゃない。それをどんどん探究していったりとか、そういうことをしていくと、自分が新しいことをしたいってなったときに、それをすぐにかたちにできると思うんですよ。

崎山ありがとうございます。

水野楽しいことをやっていったらいいんじゃないかな。好きなことを追求しながら、基礎をやっていけば。僕は本当に基礎がないので…後悔しているから。でも、学校生活もあって、大変なのかな。友達はどんな反応なの?

崎山もともと仲がよかった友達は、応援してくれていて。新しく知ってくれた方からも話しかけられるんですけど、仲よかった子の方が変わらない関係という感じです。

水野だよね。大事にした方がいいよ。これから出会う人たちは崎山さんの音楽があって、その魅力に惹かれている部分もあるじゃない。

崎山はい。

水野仮にその音楽がなくなっても崎山さんを認めてくれる人がいるといいと思う。そうするとすごく楽ですよね。曲がつくれないときとか、つらくなっちゃうもんね。音楽つくれないと、今までお付き合いしていた友達が去っちゃうって、すごく悲しいよね。

崎山はい。

水野それと関係なく話ができる人がいるといいですよね。

(ここで弾き語り。「泡みたく輝いて」)

水野(拍手)すごいねぇ。歌っている瞬間の方が緊張してないでしょ?

崎山あ、いや…。

水野緊張した?

崎山はい。

水野ははは(笑)。いや、でもすごいね。素晴らしいです。スイッチを入れているつもりはある?

崎山ちょっとあります。

水野あるんだね。すごく躍動してますよね、その波打っている感じが。素晴らしいですね。本当にそう思います。

崎山ありがとうございます。

水野今、すごく賞賛してくれる人もいて、なかには批判する人もいて。でも、どっちも風みたいなものだから、静かなところでずっと音楽に集中していた方がいいと思う。そうしたら、ブレずに崎山さんのつくりたいものをつくっていけると思う。風に身を寄せると、途端にブレちゃう気がするから。

崎山ああ、はい。

水野その歌っている姿の、波打つ空気、波打つ鼓動みたいなものをちゃんと守って、そのまま進んでくれたらいいなと思いました。本当に感動しました。

崎山ありがとうございます。

水野記念すべき「SPARK HIROBA」、第1回目の対談に崎山蒼志さんにお越しいただきました。ありがとうございました。

崎山ありがとうございました。

(おわり)

崎山蒼志(さきやま・そうし)
2002年生まれ。
シンガーソングライター。
2018年5月にAbemaTV「日村がゆく」に出演し、
またたく間にSNSで話題になる。
最新音源として2019年3月15日に
「泡みたく輝いて」ならびに「烈走」を配信リリースした。
今後は、「第8回パンダ音楽祭」「CROSSING CARNIVAL’19」など
多数のフェス、音楽イベントに出演予定。
崎山蒼志オフィシャルサイト
崎山蒼志Twitter

Photo/Kayoko Yamamoto
Text/Go Tatsuwa
Hair & Make/Yumiko Sano

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