2019.5.17
TALK

HIROBA Part 5
基準値を変える作業というのも
HIROBAがやるべきものだと思う

HIROBAの立ち上げから約1カ月半が経過。
本人による楽曲制作の過程を振り返る原稿や、
さまざまなクリエイター、ミュージシャンとの対談、
制作スタッフのインタビューなどを通して、
少しずつその輪郭が見えてきたが、
このタイミングであらためて「HIROBAとは何なのか」ということを
分かりやすく説明する必要があるのではないだろうか。

HIROBAとしては初となる水野良樹のインタビューというかたちで、
理解を深める全5回の短期連載。
最終回は、HIROBAの今後について語る。

Part 5 基準値を変える作業というのもHIROBAがやるべきものだと思う

──甲斐さんやejiさんとはこれまでの制作も含めて付き合いが長いと思いますが、おふたりの言葉からはどんなことを感じましたか?
水野甲斐さんは、レコーディング現場で10年以上も僕を見てくださっているので、僕が普段は表に出していない部分もけっこう知っていると思うんですよ。でも、それはいきものがかりの僕なんですよね。それ以外のことがあるだろうというのは予想はしていただろうけど、実際に目にするのは初めてなので、そこに新鮮さはあるんだろうなと思いますね。クラスの友達の違う一面を見たというような(笑)。習い事の時だと普段と全然違うなみたいな(笑)、そんな感覚に近いかもしれないですね。ejiさんとは現場ではもちろん話をしたりはしますけど、それ以外では接する機会が多くはなかったので、新たに出会い直したみたいな感じがあると思うし。

参照:HIROBA TALK 甲斐俊郎 水野くんが興奮してスタジオのなかをウロウロし始めると「よっしゃ!」って思います

参照:HIROBA TALK eji いい曲があったら、もう答えはすぐそこに見えているんだなと強く実感しました

(高橋)久美子ちゃんも、あの対談の量の半分くらいしか、今までの人生で話してないですし、総時間でいうとね。ただ、同世代として横目で眺めていたし、お互い思っていることがあるということをあらめて対談で実感できたのはよかったですよね。(吉岡)聖恵だって、あんなふうに話をすることはないですからね。グループとしてオフィシャルに話すときはお互いに勘所が分かっているから、「相手がこう言ってきたら、こちらはこう返すよ」みたいなことが意識しなくても決まっちゃってるんだけど、HIROBAでの対談はそれとは違ったかたちになっていたと思います。

──最後の質問になります。今後HIROBAでどんなことをやってみたいですか?
水野いやぁ、いろいろありますけど、できる限り曲をつくりたいです。あとはリアルタイムでやるイベントですね。それはライブなのか、もしくは配信というかたちなのか、何か時間軸の見えるものができたらいいな。それには準備も必要だし、資金も必要なので、なかなか難しいですけど。あと、今回のインタビューの意義にもつながりますが、今まで「HIROBAとは何なのか」という説明をしなさすぎたなという反省があって(笑)。僕がTwitterでつぶやいたりはしていますが、これからもっと広く、いろんな人に伝えてもらえるように仲間たちを増やしていかないといけないなという課題意識を持っています。

実際にHIROBAを始めてみて、予想以上に伝わらなかったな…という感覚があって。固定概念で見られて、やっていることが理解されないことが多くて。伝えることは難しいなとあらためて思いましたね。僕自身がちゃんと説明できていないということなんですが、やっぱり基準をしっかり持つことが大事なんですね。僕らも模索しながらやっているので「HIROBAとは何か」ということを時間をかけて丁寧に伝えていかないといけないと思っています。

──やはり、いちばんやりたいことは楽曲制作になるんですね。
そうですね。曲をつくる人間なので、そこをちゃんとやりたいなと思います。そこで派生してくるストーリーもあると思うので、それもコンテンツとして見せていければいいなと。歌い手を決めないで楽曲をつくって、それを複数の歌い手に歌ってもらうということも面白いと思うし、そういったやり方はジャズなんかだとよくあることなんですけどね。スタンダードがあって、演奏者によって、時代によって、または場面に応じて変わっていくという。ポップスはある型があって、この人が歌わないとダメみたいな部分があって、それはいい面もありますが、もう少し違ったやり方もあるでしょうし。

オリジナルという言葉の意味が強すぎましたよね、この時代。それで縛るということが多くて。中村佳穂さんとの対談で、彼女は「オリジナルは私だ」って言っていましたからね。リアルタイムで生きている私がオリジナルで、そのときによって、同じ曲をやっても全然違うものになるから、音源を録っていても、それはその時点のものでしかない。ライブでも、演奏者が違うから、今日やるライブと明日やるライブは別物で。「オリジナルは私なんです」ってサラッと言っているのを聞いて、これは今までと違う感覚だなと感じましたね。彼女の基準の方が今の時代には合っていると思いますし、そういった基準値を変える作業というのもHIROBAがやるべきものだと思うので、そういった試みもやっていきたいですね。

これからも定期的にHIROBAの活動や方向性について丁寧に伝えていきたいと思うので、楽しみにしていてください。

(おわり)

Photo/Manabu Numata
Text/Go Tatsuwa
Hair & Make/Yumiko Sano

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