2020.5.13
TALK

水野良樹×上白石萌音 Part 3
凝り固まっていてもつまらない

上白石萌音さんが歌う「夜明けをくちずさめたら」。
「NHK みんなのうた」から楽曲制作の依頼をいただき、
「いつか自分が書いた曲を上白石さんに歌ってほしい」という念願が叶いました。

一言一言に説得力がある上白石さんの歌声。
その理由が知りたくて、表現者としての上白石萌音さんの思いを聞かせていただきました。

Part 3 凝り固まっていてもつまらない

上白石曲をつくって吉岡さんに歌っていただくまでにディスカッションはあるんですか?

水野それが、ないんですよ。何も言わない。

上白石ええ!

水野今回の「夜明けをくちずさめたら」は上白石さんにディレクションさせていただきましたが、いきものがかりの曲ではデモを渡すだけでディレクションもしないんですよ。

上白石そうなんですか!

水野ディレクターもいますしね。山下(穂尊)も同じ考えで、僕らのカラーを出さずに吉岡の解釈で歌ってもらおうと。

上白石信頼関係ができているんですね。

水野そうですね。あとは、客観的なものになるほうがいいだろうと思っていて。

上白石なるほど。

水野僕らが曲をつくって仮歌を入れるんですが、作り手なのでどうしても歌い方が濃くなっちゃうんですよね。

上白石主観的になっちゃいますもんね。

水野そうなんですよ。でも、吉岡がその歌をフラットなもの、客観的なものにしてくれるというか。

上白石すごいなぁ。私、3人で歌っている歌も好きなんです。

水野確実にコアファンですね(笑)。コアファンの方がまず言う一言がそれですから。

上白石(笑)めっちゃ好きなんです!

水野ありがとうございます。お芝居のときの演出は、自由にやってくださいというのと、細かく指導してもらうのと、どちらがいいですか?

上白石私はできるだけ多くのダメ出しがほしいです。言われないと不安になっちゃうんです。「見放されたな」と思ってしまって。

水野いったん、自分で構築するんですか?

上白石そうですね。考えては行きますが、凝り固まっていてもつまらないですし、「違う」と言われたときに対処できなくなってしまうので、フワフワと柔らかい状態にしておいて、現場で演出家と相手役の方とやり取りをしてつくっていきますね。台本を渡されて「好きにやって」みたいなことはほぼないですね。大ベテランの方だと話は違うかもしれませんが、私は細かいやり取りがないとダメですね。

水野そうなんですね。

上白石ディレクションしないというのは目指す最高地点のような感じですよね。何も言わない崇高さというか。

水野いやいや。たまたまですよ。

上白石どんな感じなんですか?兄弟みたいな感じですか、それとも家族みたいな。

水野うーん、どう表現したらいいかわからないですけど…時期によって変わってますね。10代から一緒にいるので、もちろん家族みたいな部分はありますね。僕は兄弟がいないので、妹ってこんな感じだろうなと思ったり。デビューする前は学生のノリでしたが、デビューしてからは多くの方々に支えてもらって、言葉にせずともプロフェッショナルであろうという気持ちを持ってやってきました。とは言いながらも3人で振り返ってみると「20年、めっちゃ青春してたね」と(笑)。

上白石素敵!

水野でも、ここから続ける上ではいい意味で青春ではいられないというか、フェーズを変えていかなければということで、「さよなら青春」という曲をつくったんですよね。

上白石うわぁ、今のお話を踏まえてもう一回聴きます!

水野(笑)

上白石刺さりますね。

水野歌づくりに対しても、もう少し自分を出してもいいのかなとも思っています。

上白石放牧(活動休止)で変わったこともありましたか?

水野変わりました。

上白石それぞれの時間を経て。

水野そうですね。

上白石私、集牧(活動再開)のあとの紅白歌合戦を見て泣いたんですよ。

水野コアファンですね(笑)。

上白石おかえりなさい!って、大晦日に(笑)。

水野紅白の本番も緊張感はあったんですけど、リハーサルのときにグッときてしまって。ポップアップ(舞台の下から上がる演出)だったんですよ。上がったときに目の前にすごい数のスタッフや記者がいて。「ああ、戻ってきたな」みたいな感覚で。吉岡も同じようなこと言ってましたね。

上白石山下さんは冷静なんですか?

水野山下はね…何考えてるかわからないから(笑)。

上白石私、山下さんには「History of Pops 70s」でお世話になっているんです。

※注釈 「History of Pops 70s」 1970年代の名曲の数々をライブとドラマで披露する音楽イベントで2017年に開催。上白石萌音が出演し、山下穂尊がイベントテーマ曲を書き下ろした。

水野ああ、そうですよね!山下は良くも悪くも学生の頃から変わらないんですよね。

上白石3人のバランスがいいですよね。

水野そうかもしれないですね。わりと僕と吉岡がバーッと前に行っちゃうので。

上白石そういう3人のバランスも大好きです(笑)。

水野上白石さんにはずっと歌っていただきたかったので、今回は本当にうれしかったですよ。

上白石いやぁ、もう本当にうれしいです。小6の私に伝えたい!

水野(笑)「ミュージックステーション」でご一緒したときもお話するタイミングはなかったですが、上白石さんの歌唱を見て、堂々とされていてすごいなと思ったんです。

上白石ありがとうございます。

水野「多様性を認め合い、手を取り合おう」という今回の「みんなのうた」のテーマもよかったですよね。

上白石本当にそうですよね。

水野僕自身が考えていることにもつながるし、上白石さんの声にもつながる。すごくいいタイミング、いい巡り合わせでつくらせていただくことができました。

上白石こちらこそ、ありがとうございます。夢って叶うんだなと思いました。

水野また機会があったら作品をつくらせてください。

上白石ええ!今の言葉、録音されてますからね!

水野いいですよ(笑)。僕はいつでも大丈夫ですから。

上白石このインタビューをスクショして額縁に入れておきます(笑)。

水野曲を書いたりはしないんですか?

上白石曲はないですね。詞はいくつか。

水野詞、書いてくださいよ!

上白石ええ!

水野機会をいただけるのなら、ぜひ。

上白石汗が止まらないです(笑)。

水野曲づくりも一緒にできたら楽しいですね。

上白石ぜひ!己を磨いておかないと。ありがとうございます!

(おわり)

上白石萌音(かみしらいし・もね)
1998年生まれ。女優・歌手。
2011年にデビューして以降、映画、ドラマ、舞台を中心に幅広く活躍。
2020年1月から放送されたドラマ「恋はつづくよどこまでも」が大ヒットし、
“恋つづ”ブームを巻き起こした。
5月11日に配信シングル「夜明けをくちずさめたら」をリリース。
この楽曲はNHKみんなのうた 4月〜5月にて放送中。
同曲が主題歌の日生劇場ファミリーフェスティヴァル
2020 NHKみんなのうたミュージカル「リトル・ゾンビガール」
が7月17日から上演予定。

上白石萌音オフィシャルサイト
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Photo/Manabu Numata
Text/ Go Tatsuwa
Hair & Make/Tomoko Tominaga(allure)
Styling/Takashi Shimaoka(Office Shimarl)

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