コトノハ | HIROBA ヒロバ

ひとつの愚かで強引で圧倒的な暴力の行使によって、それまで”抑止”や”緊張”というベールに包まれて、ぎりぎりの熱を保って眠っていてくれた暴力たちが、あるいは暴力への焦燥が、濁流のように止めることもできず、否応なく解き放たれてしまうことへの、恐ろしさがある。世界秩序への暴挙を非難する。人命への暴挙を非難する。

2022年2月25日

「時間を意識する」ということは、そのまま「他者を意識する」ということだ。

2022年2月6日

書いているときは”書けている”か、わからない。”書けている”はずだと信じて書くのだけれど、浮き上がったり、沈んだり、不安定な飛行を繰り返して、とりあえず飛んでいる。”書けていた”ことがわかるのは、いつもできあがってだいぶ経ってからだ。数年後とか。まだ”書けていた”と思えないものもある。

2022年1月22日

矛盾を内包していないものは、面白くない。矛盾を矛盾のまま見放しているものも、面白くない。矛盾は緊張であり、矛盾は源泉でもある。

2022年1月18日

小さな幼子が、なぜ、毎晩、物語を読むことをせがむのか。同じ認知を、共有することが、人間が孤独を紛らわすうえで、あるいは自分以外の存在（世界）と、自分とを接続させるうえで、とても大事なことなんじゃないか。それは原始的といってもいいくらい、本質的な。今日もだれかが、どこかで、歌を口ずさんでいる。時間も、空間も、かけ離れたところで。出会ったことのないひとが。たとえば、それが自分がつくった歌であったのなら。自分はそのひとと、ある物語を、ある認知を、共有している。それは死をも超えるし、距離や時間も超えるのだから、すごいことだとも思う。

2022年1月13日

まわりを見渡せば「こんなふうにしたら上手に生きられますよ」という言葉ばかりで、そこからこぼれていく瞬間ばかりが自分の前に生まれてきて疲れる。疎外や否定を含んだ優しさっていうものが多すぎないか。

2022年1月12日

ここまで言葉を追っかけてきてくれるひとに、目にしてもらうにふさわしい言葉というものがあるように思う。茶化されてしまうことがもはや宿命化されているような場所ではなくて、放つひとも、読むひとも、眺める人も、たがいに、意志をもって、そこにたたずむような場所にこそ、呼吸をするような言葉。

2022年1月9日

「ひとりでも多くのひとにつながる歌を」と考える日々を、ずいぶん長いこと過ごしてきました。

2021年9月18日